初めて訪れた茶室。
友人のあきちゃんが茶人であることは知っていたけど
彼女の仕事場に足を踏み入れる日が来るとは。
びっくりするほど小さな入り口から入る茶道の世界に
驚きを隠せなかったのはアタシだ。
すべてのしつらえが目新しくドキドキが止まらない。
薄暗い茶室の明り取りの天窓すらシャッターを切るほどに。
ひつとひとつの所作が美しい。
家にも簡単な茶道具はあるが
自分で煎れるということはなかった。
母が立ててくれるお茶が
子供のころは苦くて
甘いお菓子があるから嬉しかったのを覚えている。
和装の女性のうなじを撮る。
この美しさは日本人ならではじゃないかと思うほど
好きなアングル。
着物の柄も美しい。
お茶をたてる一連の動作を
瞬きもせず見つめる。
カメラのシャッターだけが瞬きをしていた。
茶人 川崎宗晃
二階の茶室は大人数の茶会などで使う
明るい広間の茶室。
くりぬかれた畳の部分を炉というそうだ。
その中には形のそろった上質の炭がくべられていた。
この炭も適当なものを選ぶわけにはいかないと言う。
茶の世界は相当奥が深い。
正直お茶の知識がほっとんどないアタシだけれど
お茶を点てるための道具の置き場所や
扱い方の手順にいたるまで余計な動きが一切無いのだ。
なんと合理的で流れるような美しい動きだろうと感心した。
茶道とは一定の作法にのっとってお茶を点て
それを一定の作法で飲むものと思われがちだけど
ただ飲む世界ではなく
美術、工芸、詩歌、書家、生花、建築や造園
料理や菓子などにまで至る総合芸術なのだ。
彼女の立ち居振る舞いが美しく美しいものが大好きなのも
なるほどなるほどとうなずける。
日本人に生まれて正直
ここまで茶の世界が深いものだと知らなかった。
茶室に敷かれた畳には点前畳、貴人畳、客畳、通い畳、踏み込み畳と
名前が名前がつけられていてそれぞれの役割が決まっていた。
その決められた床に合わせて人の動作や位置が決まるだなんて!
そりゃ世界中の人がこの茶の世界に興味をもたれるのも無理は無い。
わからない事だらけなのだから。
茶道とは生活の中の「もてなし」と「しつらい」の美学。
そう、美学なのだ。
なんとなく勝手に敷居が高いと遠巻きに見ていた自分だったけど
せっかく仲良くなった友達が和装の麗人で茶人なのだから
もう少し日本人として茶の心とおもてなしの文化を覗いてみたい
そう思えた休日のドキドキ時間。
日本人に生まれたことがちょっと誇らしく思えた。ううん、すごく。
快く迎え入れてくれた彼女は
もっとお茶の世界をいろんな人に知ってもらいたいと
凄く頑張っている。
彼女ならきっと
ちょっと敷居の高そうだと思われていた茶の世界を
身近にしてくれる。
そんな気がした。
結構なお点前でした。
special Thanks!
◇川崎宗晃◇ 〜川崎晃子〜
表千家 教授者 サロン静寂(茶道教室)